認知症の親の不動産は売却可能?トラブル例や売却方法について解説

2024-05-14

認知症の親の不動産は売却可能?トラブル例や売却方法について解説

この記事のハイライト
●認知症だと診断された親の不動産を売却するには「意思能力」の有無がポイントになる
●親族が不動産を勝手に売却するケースもあるため注意が必要
●親が認知症になった場合は「法定後見制度」を利用すれば不動産の売却が可能

親が所有している土地や建物といった不動産を、子どもが代理人となって売却するケースは珍しくありません。
しかし、これは親が自分の意思で、子どもに不動産の売却を依頼するケースであり、親が認知症になった場合は、売却方法が異なります。
そこで今回は、親が認知症になった場合、親が所有している不動産を売却することはできるのか、よくあるトラブル事例や売却方法について解説します。
越谷市を中心とした周辺エリアで、認知症の親が所有している不動産の売却をご検討中の方は、ぜひ参考にしてみてください。

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認知症の親が所有する不動産は売却できない

認知症の親が所有する不動産は売却できない

冒頭でもお伝えしたように、子どもが親の代わりに不動産を売却することは可能で、そういったケースはよくあります。
親子でなくても、委任状をもって代理人を立てれば、知人でも可能です。
しかし、不動産の所有者が認知症の場合、子どもであっても代わりに売却することはできません。
なぜ売却できないのか、不動産売却という行為について、まずは解説します。

不動産を売却する際は所有者の意思表示が必要

不動産の売却は、売主と買主の合意のもと、売買契約を結ぶことで成立します。
売買契約は、当事者の意思によっておこなう「法律行為」です。
したがって、売買契約を結ぶ際には、当事者が立ち会うのが原則です。
しかし、当事者が病気で入院していたり、遠方に住んでいたりなど、やむを得ない事情で立ち会えない場合は、代理人を立てれば契約を結ぶことができます。
この場合、所有者が署名・捺印した「委任状」が必要です。
つまり、不動産を売却すること、代理人を立てることについて、しっかりと理解し、委任状によって意思表示をおこなえば、所有者本人が立ち会えなくても、取引は成立します。

意思能力の有無がポイント

意思能力とは、自分がおこなったことによって、どのような結果が生じるかを判断できる能力のことです。
先述のとおり、不動産を売却するためには、本人の意思表示が必要です。
とはいえ、「不動産を売却する」と所有者が言っても、意思能力がない状態での契約は無効になります。
認知症の方は、意思能力が不十分であると診断された状態です。
また、代理人を任命することもできません。
つまり、認知症の親が所有する不動産を、子どもが売却することはできないのです。

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親が認知症になった場合に不動産売却で起こり得るトラブル

親が認知症になった場合に不動産売却で起こり得るトラブル

認知症になった親が所有する不動産をめぐって、親族間でトラブルになることも少なくありません。
そこで次に、親が認知症になったことで起こり得る、不動産売却に関するトラブル事例について解説します。

親族が勝手に売却した

一口に認知症といっても、その度合いはさまざまです。
たとえば、意味不明な言葉を言ったり、徘徊したりなど、重度の認知症であることが見てわかれば、売買契約を結ぶことはできません。
しかし、ときどき物忘れをするなど、日常生活に支障がない軽度の認知症の場合は、意思能力があるものとして、不動産を売却したり、代理人を立てたりできる場合があります。
そのような場合に、親族の1人が勝手に親と手続きをして、不動産を売却してしまった、ということが起こり得ます。
親の遺産は、遺言書で指定されていない限り、法定相続人が相続する割合が決まっています。
相続人同士で話し合って分割することも可能ですが、もともと不動産の分割については揉めやすいうえに、勝手に売却したとなると、大きなトラブルに発展するかもしれません。

親族に売却を認めてもらえない

認知症の症状が進むと、日常生活にも支障が出てきます。
そのため、介護施設に入所したり、介護のために家をリフォームしたりするケースも少なくありません。
しかし、いずれにしても、多額の費用がかかるため、不動産を売却して介護費用に充てる資金を確保したいと考える方もいます。
ところが、もし親の介護をしている長男が不動産を売却して現金化したいと思っても、ほかの兄弟が同意してくれず、トラブルになることも起こり得ます。
なぜなら、親が所有している不動産は、相続の対象になるからです。
したがって、介護費用に充てるために不動産を売却する場合は、しっかりと親族で話し合って決めるようにしましょう。
また、不動産の売却代金を介護費用に充てた場合は、介護施設に入所した際の資料や、介護用品を購入した領収書などを保管しておくことが大切です。

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認知症の親が所有する不動産は「成年後見制度」で売却可能!

認知症の親が所有する不動産は「成年後見制度」で売却可能!

親が認知症になった場合、子どもが不動産を売却することは不可ですが、「成年後見制度」を利用することで、売却が可能になります。
そこで最後に、親が認知症の場合に有効な「成年後見制度」について解説します。

成年後見制度とは

成年後見制度とは、認知症などによって意思能力が十分でない方に代わり、「成年後見人」が、契約や各種手続き、財産の管理をおこなってサポートする制度です。
また、本人(意思能力が低い方)が不利益な契約などを結んでしまった場合、成年後見人が取り消すこともできます。

成年後見制度の種類

成年後見制度には、「任意後見制度」と「法定後見制度」の2種類があります。
任意後見制度
任意後見制度とは、本人が自分の意思で後見人を選び、認知症になった場合に代わりにしてほしいことを、契約によって決めておく制度です。
自分の意思を反映させることができるため、老後に備えて利用する方が増えています。
ただし、認知症だと診断されてから「任意後見制度」を利用することはできません。
法定後見制度
法定後見制度とは、家庭裁判所がそれぞれの状況、事案に応じて成年後見人などを選任する制度です。
成年後見制度のうち、親が認知症になったあとに利用するのは、この法定後見制度です。
成年後見人(法定後見人)の権限も、基本的に法律で定められています。
法定後見人になるには、とくに資格などは必要なく、家庭裁判所に必要書類を提出すれば、本人の子どもが候補者となることは可能です。
ただし、法定後見人は、家庭裁判所が審理して選任します。
したがって、子どもが法廷後見人になれるとは限りません。

成年後見人が不動産を売却する条件

成年後見人といえども、勝手に不動産を売却することはできません。
成年後見人が不動産を売却する場合の条件として、以下のようなことが挙げられます。
本人の利益になる
成年後見制度は、認知症の方の生活と財産を守ることが目的です。
したがって、不動産を売却することが本人にとって不利益なことである場合、成年後見人が売買契約を結ぶことはできません。
成年後見制度は、あくまで本人のサポートのために利用する制度あるため、本人の利益になることが条件です。
家庭裁判所の許可を得る
認知症の方が居住する自宅を売却する場合は、家庭裁判所の許可を得る必要があります。
なぜなら、居住用不動産は、生活するために必要な財産だからです。
居住用不動産を売却する場合は、本人にとって不要になったことや、売却代金を施設に入所するための資金に充てるなど、正当な理由が必要です。

まとめ

親が所有している不動産は、子どもが代理人となれば売却することが可能です。
ただし、親が認知症になった場合は、通常の方法で売却することはできません。
その場合は、成年後見制度を利用すれば売却可能であるため、相続人同士で話し合い、売却に全員が合意する場合は、家庭裁判所に申立てをおこないましょう。
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